日本一だ!武蔵府中。“東京決戦”で小平に逆転V

「全日本リトルリーグ」に優勝した武蔵府中リーグ  第34回全日本リトルリーグ野球選手権最終日(10日、江戸川区球場)は、決勝を行い、21年ぶりの東京連盟代表同士の対戦となった決勝で武蔵府中が小平に3−2で逆転勝ちして初優勝を飾った。1点のビハインドで最終回を迎えた武蔵府中は、中山怜大投手が2点タイムリーを放ち土壇場でひっくり返した。武蔵府中は世界大会出場をかけ、7月26日からグアム島で行われる極東選手権に出場する。〔写真=見事な逆転勝ちで優勝した武蔵府中ナイン

 中山投手の渾身の1球が粕川捕手のミットに鋭い音とともに収まる。その瞬間、武蔵府中ナインはマウンドに駆けより、歓喜の涙をあふれさせた。

 前日の試合でふくらはぎに死球を受けた中山は、軸足に体重が乗らないという状況でのマウンドだった。その影響か、一回にストレートを狙い打ちされ2失点。しかし「狙われてると思ったので変化球中心に変えました」という冷静さで、二回以降を無失点で切り抜け、最終回には自らのバットで逆転勝利を呼び込んだ。

 「自信のあるまっすぐが打たれて悔しい」と、負けん気の強さも旺盛。「謙虚さとずぶとさをバランスよく持ってほしい」と両親に育てられた結果、チームのだれからも好かれ信頼される存在になった。野球を本格的に始めたのは小4のとき。それまで器械体操や空手などで運動神経の非凡さは証明済みだったが、野球でも輝かしい戦績を残してきた。

 尊敬するのは西武・松坂で、どことなくピッチングフォームも似ている。それもそのはず、松坂がベンチに走っていく様子まで研究しているとか。武蔵府中の次なる舞台は極東、世界大会。中山の怪物への物語は今、始まったばかりだ。

▽決勝
武蔵府中 0 0 1 0 0 2 3
小  平 2 0 0 0 0 0 2

【武蔵府中】
(7) 市 村
(4) 大 前
(1) 中 山
(6) 山田和
市 村
(2) 粕 川
「9」3 中 西
(8) 小 沢
(3) 秋 元
中 井
9 池 谷
(5) 藤 崎
25
【小  平】
(6) 小 山
6 坂 部
(4) 城 戸
H4 西 村
(1) 津 沢
(7) 鈴 木
(2) 小 池
(8) 末 松
(9) 萩 原
(3) 高 橋
H3 松 本
(5) 清 水
23


○中 山
………………………………………………
●津 沢

11

▽二塁打=中西、中山、末松
▽失策=武2小2
▽捕逸=小池

やったぜ!武蔵府中ナイン
◆中山怜大投手(府中二中1年) 「自慢のストレートが打たれて悔しいが納得できる投球でした。みんなのおかげです」
◆粕川宗徳捕手(府中二中1年) 「(準決勝で打った)公式戦初のホームランがうれしかったです」
◆秋元翔一塁手(府中一中1年) 「四回に当てられた死球はむかつきました」
◆大前勇人二塁手(加住小5年) 「準決勝で試したサイドスローがうまくいってよかった」
◆藤崎知也三塁手(府中二中1年) 「全国大会に出て、生まれてはじめて緊張を感じた」
◆山田和磨遊撃手(府中東中1年) 「監督、コーチの励ましがうれしかった」
◆市村大貴左翼手(府中六中1年) 「決勝戦の最終回に打ててよかった」
◆小澤隆中堅手(杉森小6年) 「全日本になるためにリトルに入ったので最高の気分です」
◆中西勇作右翼手(朝日中1年) 「決勝戦の2安打がうれしいです」
◆池谷祥明外野手(府中二中1年) 「最後に中山君の球がミットに入った瞬間はすごく感動した」
◆飯田豪投手(府中一小6年) 「冬の練習はつらかったけど、勝ててよかった」
◆山田卓磨一塁手(府中東中1年) 「1回戦で対戦したえひめ砥部にもらった千羽鶴が、僕らに力をくれたんです」
◆服部健人外野手(府中三中1年) 「極東大会も絶対勝ちたい」
◆中井隆史二塁手(泉南中1年) 「最後に大事な場面で代走で出て緊張した」
★武蔵府中リーグ
 昭和45年創立。部員数はリトルが48人、シニアが50人。現在の大前益視監督は平成8年に就任。以来、1年目の東京大会ベスト8を皮切りに、昨年の東京大会準優勝、関東大会優勝、今年は東京大会を制し、今大会に望んだ。OBには甲子園出場者が13人ほどいるが、プロ野球選手はまだ出ていない。



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